創業は1927年の4月18日。
中野区荒井にある蕎麦屋「長岡屋」は、今年で創業99年を迎えました。
「懐かしい」と言いながら暖簾をくぐる多くのお客さんに支えられ、来年はいよいよ100周年です。
長岡屋の4代目、宇田川さん(中野区荒井)

老舗の看板を背負う若い4代目に、話を聞きました。
父と息子の阿吽の呼吸
ナカマニ厨房での役割分担はありますか?



父がお蕎麦をやって、僕が天ぷらや夜のおつまみ、お刺身を担当するという形です。
お互いのいいものを出し合ってお客さんに最高のものを提供する形に現在落ち着いています。
お客さんに喜んでもらえれば嬉しいですね。





蕎麦で意識されていることはありますか?



日本の産地のものを時期によって使い分けています。基本は北海道産ですが、茨木だったり、季節によって変えています。
また、創業からずっと使っている機械打ちの製麺機があり、粉を一つにまとめる作業から、平らにしてカットするまで一つの機械でやっています。





今、メインで担当されている天ぷらで心がけていることはありますか?



お蕎麦と一緒に食べるので、サクサクの状態で食べてもらいたいなというのを意識して揚げています。
食材は季節によって変わって、1年でいったら100種類ぐらいはあるんじゃないかと。
春だったら春野菜はすごくお客さんに喜んでもらえているなと思っています。


3代目が周りを見ながら蕎麦を茹でるタイミングを判断します。
声をかけるわけでもなく、目配せをするわけでもない。
それでも蕎麦と天ぷらは、ぴたりと同時に仕上がっていきます。
4代目としてお店を継ぐこと


4代目が長岡屋に戻ってきたのは2019年。
それまでは新宿の蕎麦屋さんで修行を積んでいました。



お店を継ぐ際に苦労されたことはありますか?



これは僕が悪いんですけど、修行先のやり方を、そのまま持ち込もうとしたんです。
その当時はそれが正解だと思って。実家の長岡屋をもっと変える必要があると思って、一気に変えようとしていました。



当時は喧嘩になったりとか揉めたり……。でも「そうじゃないんだな」って気づいて。
長岡屋の歴史を生かさないといけないんだなと思って、それからは少しずつ変えていきました。
喧嘩しながら、お互いの価値観を調整してきた感じです。





今は落ち着いているんですか?



そうですね。
今はやりたいようにやらせてもらっていて、父に感謝しているんですけど、絶対守らなきゃっていうところは父がちゃんと守ってくれて、かつ僕が変えたい部分を変えさせてくれています。
うまくすり合わせができて、今の形になっているのかなと思っています。



変えていないところと、変えてきたところの線引きはどんなとことろですか?



基本的にはカエシの取り方であったりとか、出汁の取り方であったりとか、そういうものは全く変えていないですね。
枝葉の部分で出汁の時間だったりとか、何の出汁を使うかなんかは変えてきているんですけど、その一番大事なところはずっと変えずにやってきているんじゃないかなと思っています。


出汁は昆布と椎茸を1日1晩かけて引きます。
使う出汁の種類や時間は、家族で話しあいながら少しずつ更新してきました。
変えたこと、変えないこと


厨房には、創業当時から使い続けている製麺機と、カエシの樽が置いてあります。





創業からずっと使っているんですか?



製麺機やカエシは、そのままずっと使っています。
大事にしてなかったら100年も使えないと思うんですよ。だから本当にすごいなって感じます。





カエシは99年分の歴史が樽の中で熟成されている感じですね。



継ぎ足しで継ぎ足しでコクがでているというか、その樽の中に旨味が残っているというか。
歴史が残っているんです、重みがあるというか、深みがあるというか。


創業から99年続いてきた理由





中野のこの地で99年も続いてきた理由は何だと思いますか?



本当によく続いたなと。
僕が戻ってくる前って、月4で毎週の定休日しか休まないっていう状態でずっと続いていたんですよ。
それだけお客さんを大切にしてお店を守ってきたんだなというのを感じているので、それは父もおばあちゃんも尊敬しています。





来年100周年という節目を迎えますが、今どんな気持ちですか?



僕はまだ30歳なので、100年という歴史を語るにはあまりに若すぎるというか……。
ただ本当に、中野の多くの人たちに支えてもらったので、還元したいなっていう気持ちがあります。
4代目が戻ってきてから7年。
引き出しから1980年代の新聞が出てくるような場所を一つひとつ掃除して、少しずつ空気を変えてきました。



お客さんから言われて嬉しかった言葉はありますか?



中野で過ごしているときに偶然仲良くなった方たちと「子供の時に食べていたんですよ」なんていう話になって。
こんな出会い方あるんだみたいな感じで、すごく嬉しかったです
中野の人が元気になればいい





お店としての強みは何ですか?



強みは、「歴史」だなと思っていて。
多くのお客さんに支えられて続けてこれたので。
ここに来ることで、中野の人が元気になればいいなっと思っています。





お客さんに伝えたいことはありますか?



やっぱり古いので伝統を感じてもらって、かつ……友人にも言われたんですけど、『懐かしい』って言われたんですよね。
懐かしさを楽しんでもらえる安心感というか、温もりというか、そういうのを味わってもらえたら嬉しいなって思います。



最後に、4代目として来年100周年を迎えることに一言お願いいたします。



4代目云々よりも、本当に100周年を楽しみにしておいてくださいっていう、何か大きいことができたらなって思っているんで。
本当に皆さんのおかげなので、なにかしら還元したい。それが伝えたいことですね。
長岡屋のメニュー
天ざる


3代目が蕎麦を茹で、4代目が揚げた天ぷら。


親子で作る天ざるは人気メニューです。


丁寧に下処理をされた海老天。


店舗情報:長岡屋(中野区荒井)


今回は、中野にある「長岡屋」さんに伺わせていただきました。



お店の詳細は、HPもしくはインスタを参照にしてぜひ行ってみてください!
| 概要 | 詳細 |
|---|---|
| 店舗名 | 長岡屋 |
| 住所 | 東京都中野区新井1丁目8−1 ビルド ナガオカ |
| 最寄り駅 | JR・東西線「中野駅」から徒歩7分ぐらい |
| 営業時間 | [月〜金・日] 11:30~14:30 17:30~20:45 |
| 定休日 | 土曜日 |
| 電話番号 | 03-3386-0813 |
| 店舗情報 | HP https://nagaokaya1927.my.canva.site/ @nagaoka.ya |








